こんにちは、海里(かいり)です。
「MRという職業に未来はあるのか?」「今のうちに他業界でも通用するスキルを身につけるべきではないか?」
業界の先行きが不透明になる中、異業種転職を考えるのは健全な危機感です。しかし、焦って「どこでもいいから外の世界へ」と飛び出すのは、文字通り**『丸腰で戦場に出る』**ようなもの。MRが異業種へ移る際には、他職種にはない特有の『落とし穴』が存在します。
今回は、MRからの異業種転職における「年収・スキル・マインド」の3大リスクと、後悔しないための戦略的な動き方をお伝えします。
この記事の重要トピック
- 「年収300万円ダウン」は当たり前。MRの給与水準は特殊である
- 「営業力」の勘違い。MRのスキルは他業界でどう評価されるか
- 住宅補助・日当の消失。可処分所得の激減という「実害」
- それでも異業種へ行くなら?「医療 × 〇〇」の掛け算戦略
1. 最大のリスクは「生活水準のミスマッチ」
MRが異業種転職を検討する際、真っ先に直面するのが年収の壁です。
「額面」以上に減る手残り
MRの年収800万円と、一般事業会社の年収800万円は、中身が全く違います。MRには「非課税の日当」や「強力な住宅補助」がありますが、多くの異業種にはそれがありません。これらを加味すると、**額面が変わらなくても実質的な可処分所得は年間100万〜200万円単位で減る**のが一般的です。家族がいる場合、このギャップは生活基盤を揺るがすリスクになります。
2. 「MRの営業力」は、外の世界で通用するのか
「自分は数字を出してきたから、どこでも売れる」という自負。これは半分正解で、半分は危険な罠です。
スキルの「ポータビリティ(持ち運び)」を冷静に見極める
- 評価される点:高いコンプライアンス意識、医師という難易度の高い顧客に対するマナー、論理的なプレゼン能力。
- 評価されない(ギャップがある)点:価格交渉の経験不足(卸任せのため)、即決を迫るクロージング経験、マーケティングと連動した泥臭い新規開拓。
多くのMRが「価格交渉」や「契約締結」の実務経験がないことを、他業界の面接官は見抜いています。ここをどう埋めるかが勝負です。
3. 賢い異業種転職:「医療の軸」をずらさない
もし、私が今から異業種へ移るとしたら、全く関係のない「不動産」や「IT広告」には行きません。**MRとしての専門性を「資産」として使える領域**を選びます。
「医療 × テック・サービス」への越境
- ヘルステック・医療IT:エムスリーのようなプラットフォーマーや、オンライン診療システムを提供するスタートアップ。
- 医療コンサルティング:病院経営の支援や、製薬企業向けのマーケティング支援。
- CSO(コントラクトMR)のマネジメント:MRの動きを知り尽くしているからこそできる管理職。
これらの領域であれば、MR時代の年収をある程度維持しつつ、他業界のスキル(IT知識や経営視点)を掛け合わせることが可能です。
まとめ:逃げの転職ではなく「攻めの越境」を
異業種転職は、今のMRという仕事から「逃げる」ために選ぶと、ほぼ確実に後悔します。他業界はMRほど守られておらず、成果への要求はよりシビアで、報酬はシビアに削られます。
それでも外の世界を見たいなら、**「MRの経験をレバレッジ(テコ)にできる場所」**を戦略的に選んでください。そして、今の高い給与を「当たり前」と思わず、第9弾でお話ししたような「資産形成」を済ませ、年収が下がっても動じない家計基盤を作っておくこと。それこそが、異業種という新天地へ挑むための最低限の装備です。
「どこでも生きていける」という自信は、無鉄砲な転職ではなく、冷徹な現状分析から生まれるのですから。

コメント